東京宣言2012

東京宣言2012
2012年12月12日
東京TVフォーラム実行委員会

日本の優れたドキュメンタリーを幅広く海外で見てもらう機会を求めて、昨年、テレビ番組製作会社の制作者が総務省、経済産業省、および関係機関の協力のもとで立ち上げた「東京TVフォーラム(TTVF)」は、今年も大きな成果を挙げて終了した。
優れたドキュメンタリーの制作を支援し、完成した作品が国境を越えて広まるためには、国際共同制作が最も有効な手段であるという共通認識のもとに、ドキュメンタリーの公開提案会議であるピッチングセッションが各国で開かれている。
2年目となったTTVF2012では、世界14の国と地域から提案採択権を持つデシジョンメーカー22人を招聘し、韓国、台湾から推薦された2本の企画を含む26本の企画が審査された。その結果、いずれも日本から世界に向けて発信すべき豊かなメッセージが込められているとして高く評価された。
そのなかで特に評価の高かった企画をベストピッチとして選ぶことができたのは大きな成果の第一歩である。今後、これらの企画が共同制作として結実するように実行委員会として責任をもって支援する。そのためには、海外のピッチングセッションとの連携がきわめて重要であり、今後とも連携の更なる充実に向けて力を尽くす。
私たちは、今回のフォーラムを通じて、ドキュメンタリーの国際共同制作を支援する取り組みが世界で幅広く行われていること、国際的に通用する制作手法の習得をはじめとする人材育成が極めて重要であることを再認識した。
日本でも、ドキュメンタリー制作者が世界に向けた番組作りにチャレンジすることのすばらしさを広く共有できる環境を作ることが肝要であり、そのための多様な支援システムの構築や人材育成システムの整備の必要性、および、日本の放送コンテンツ市場が、制作者の独創的なアイディアが埋もれることなく正当に評価され、世界に開かれた市場に発展していくことの重要性を改めて確認した。
2回目を迎えたことで、制作者同士のネットワークが広がりと深まりを示し、国際共同制作に関わる情報を共有する機会となったことは、TTVF2012のもう一つの成果である。
 こうした成果を生かすためにも、今後は、国内外の人的ネットワークを育み、TTVFを支える豊かな基盤を築くことが必要である。その上に立ってTTVFを今後も安定的に開催することにより、日本がグローバルなコンテンツ製作と流通の拠点となることを目指していく。

ベストピッチは「また、歩き出すために…」

海外ゲストの投票をもとに最優秀ピッチ、優秀ピッチが決まりました。
選考結果は下記の通りです。

◆最優秀企画(Best Pitch)
Project_05  “A Step Forward”
「また、歩き出すために…」  加瀬澤 充(ドキュメンタリージャパン)

◆優秀企画 (Outstanding Pitches)
Project_06  “Discovery of Hidden Ukiyo-e Art”
「新発見!浮世絵の世界」  山村 ひろし(エキスプレス)

Project_15
“Election in the World’s Largest Slum”
世界最大スラムの総選挙  内山 直樹(テムジン/NEP)

※以上の三作品については、TTVFのサポートのもと、3月19日からマレーシアで開かれるAsian Side of the Docに参加し、ピッチング・セッションで企画提案を行う予定です。

◆その他の優秀企画(Outstanding Pitches)
Project_02
Far From Fukushima̶Building the Temporary Town
フクシマから遠く離れて ~原発のまち、「仮の町」建設へ~  舩橋 淳(ドキュメンタリージャパン)

Project_23
3-Star Sushi: Chef Araki’s London Challenge
女王に握る鮨~鮨職人・荒木、ロンドンへの挑戦  西村 朗(フジテレビジョン)

Project_04
Shellingual̶“A Man Who Speaks with Shells”
貝リンガル ~世界初の「貝言語」解読システム  有本 整(中部日本放送)

 

 

トレーニングセッション3回目は12月8日です!

11月6日に第2回トレーニングセッションが終了しました。
大勢の方々の参加をいただき、感謝です。
次回は本番の二日前の12月8日です!本番通りのにピッチを行い、国際プロデューサーのピーター・ウィントニックさんとイスラエル人国際プロデューサーのバラク・ヘイマンさんに講評してもらいます。ピッチされる方々以外の参加も可能です。来年のピッチング・セッションを目指す方々もお越しください。

第3回トレーニングセッション
12月8日(土)9時〜
千代田放送会館

ストーリー構築のためのチェックリスト

第1回のトレーニングセッションで
講師のハンスロバート・アイゼンハウアー氏が
「ドキュメンタリーには”ストーリー”が必要だ。
どのようにすれば、ストーリーを構築できるのか?
それを考えるのに、とても有効なチェックリストがある」と
12項目に及ぶリストを紹介してくれました。
つたない翻訳で恐縮ですが、ご紹介します。(翻訳 NEP今村)

Storytelling : A Checklist ドキュメンタリーのストーリー・チェックリスト
Quoted partly from the book of Sheila Curran Bernard “Documentary Storytelling”
”ドキュメンタリー・ストーリテリング”(Sheila Curran Bernard著)を元に
ハンスロバート・アイゼンハウアー氏が加筆、改編しています (注釈・翻訳 NEP今村)

1) Are you telling a compelling and dramatic story and giving the viewer a reason to watch?
あなたが制作しようとしているドキュメンタリーには、魅力的でドラマティックなストーリーがあり、視聴者に「見たい」と思わせることができるか?

2) Is there a story that has a beginning, a middle and an end?
ストーリーには、始まりがあり、中身(展開)があり、そして結末があるか?

3) Does your film involve the viewer in a story unfolding on screen, rather than talk at them?
あなたの作品では、言葉ではなく映像でストーリーを視聴者に語りかけているか?

4) Are there interesting questions being asked and answered throughout, offering mystery and suspense?
全編を通して疑問を投げかけ、その答えを提示することで、作品にミステリー(謎)とサスペンス(期待)を視聴者に与えているか?

5) Are you offering new information and an unusual perspective? Is there food for thought or reflection?
作品には新しい情報とユニークな視点があるか?そして、視聴者に様々な考えや思いを引き起こす材料があるか?

6) Have you created moments of discovery for the audience?
視聴者に何かを”発見した”と思わせる要素があるか?

7) Have you “cast” the film carefully?
Are your characters compelling?
Can they deliver what they have to say?
Are they interesting to look at?
作品と取り上げる要素は、注意深く“配役”できているか?
登場人物は魅力的か?
その人物が言って然るべきことを言わせているか?
見た目にも面白い(魅力的)か?

8) Are the locations and the interview settings carefully chosen?
撮影する場所、インタビューする場所は注意深く選んだか?

9) Does your film “show” and not “talk”?
あなたの作品は”語る”のではなく、”視覚的に描いている”か?

10) Does the story that was set up at the film’s beginning pay off at the end? Can you articulate that story in one sentence or two?
作品の冒頭で提示されたストーリーは、最後できちんとけりがついているか?
そのストーリーは簡潔に語ることができているか?

11) Does the film seem like “just another documentary” or is it something that people might want to tell each other about the next day?
あなたの作品は「どこかで見たようなドキュメンタリー」か?それとも、見た人が次の日に「きのう見た?」とまわりに話したくなるようなドキュメンタリーか?

12) And the overall question:
Does your film give the audience some sort of excitement? Do you tell your story with some humor? (if possible)

すべてに関わる設問
あなたの作品は視聴者を何らかの形でハイにできるか?
(可能ならばだが)ストーリーにはユーモアがあるか?

出典 Sheila Curran Bernard “Documentary Storytelling”
一部改編  ハンスロバート・アイゼンハウアー
翻訳     NEP 今村 研一

“Documentary Storytelling”はネットで購入が可能です。
ご参考までに某サイトのページをリンクしておきます。

第1回トレーニングセッション 終了!

TTVF2012に向けては
3回のトレーニングセッションが行われますが、
その第1回が9月13日、14日に無事終了しました。
ドイツから来ていただいた
講師のハンスロバート・アイゼンハウアーさんも
日本のドキュメンタリー制作者と情報交換ができて
楽しかったと、おっしゃってました。

来場したいただいた方々、ご協力いただいた方々、
ありがとうございました。

第2回は11月初旬、第3回は12月8日に開催します。
第3回にはカナダから、国際共同制作の世界で
大活躍しているピーター・ウィントニックさんが
講師として参加することが決まりました。
このほか詳細が決まりましたら、このウェブで発表いたします。